※具体的な内容は持ってない人が買う意味無くなるのでざっくりと話してますが、まだ読んでない人はご注意ください
雪乃「今頃になってANTHEMのリーダー、柴田直人さんの自伝を読んだよー」
浅水「発売は2018年でしょ? 随分遅かったね」
雪乃「いやー、タレント等が自伝出してもそこまで関心持たなかったってゆーか。でも柴田さんが自伝出してたよねーって、最近思い出して」
浅水「なるほど、ソレで買ったワケだ。中々しっかりした内容だったでしょ?」
雪乃「自伝そのものを読むのは初だったけど、読み応えあったよ。もはや柴田直人物語というドラマを見た気分だねぇ」
BLACK HOLEというバンド
雪乃「プログレハードバンドのBLACK HOLEに加入したけど、結局解散して、それで柴田さんは音楽活動を終えるつもりだったみたい」
浅水「東京X-RAYのRIOさんが居たバンドだね。硬派な柴田さんは煌びやかな衣装等に付いていけなかったんだよね」
ANTHEM結成の中心人物は柴田さんではない?
雪乃「ANTHEMの初代ギタリストの小柳彰史さんは柴田さんの後輩だったんだね」
浅水「しかも柴田さんをバンドに誘った、いわゆるANTHEM結成の中心人物だったという。けどすぐに離脱するんだよね」
雪乃「バンドをやるならって、柴田さん以外の三人は当時ほぼ素人で、かつてバンド経験有の柴田さんがリーダーを請け負うことになったんでしょ?」
浅水「バンドをやる以上、本気で取り組むようになるんだけど、中心人物の小柳さんはやる気が無くなってきて、新たなギタリストを採用するほかなかったみたい。それで小柳さんは『解雇』という扱いになった」
バンド名の由来
雪乃「ANTHEMそのものは『讃歌』や『聖歌』って意味があるけど、由来はDEEP PURPLEの曲"ANTHEM~聖なる歌"やRUSHが所属してたアンセム・レコードから取ったって話だよね」
浅水「他の雑誌のインタビューでは、アンセム・レコードがバンド名の由来で、当時の日本は『アンセム』という単語に馴染みがなかったからって話をしてたよ」
ステージネームについて
雪乃「柴田さんはステージネームに全く興味が無いみたい」
浅水「柴田さん以外の三人はあったよね。前田さんはトニー(TONY)、小柳さんはレイヴン(RAVEN)、大内さんはマッド(MAD)」
雪乃「トニーさんとMADさんは今でも使ってるよね。ところで、レイヴンというとMARINOの大谷令文さんを思い出すけど、小柳さんのレイヴンは響きから付けられてたのかな。それともギャラガー兄弟のバンドから来てたりして……あ、ギャラガー兄弟ってOASISじゃないよ。OASISも好きだけど」
浅水「分かってるよ(苦笑)。それもありそうだよね、後でMARINOの大谷令文さんの存在を知ったって書かれてたけど、柴田さんとOUTRAGEの丹下眞也さんとの対談では『令文さんに影響を受けてたから自らレイヴン小柳と名乗っていた』って話してたよ」
雪乃「そうなんだ! ちなみに雑誌等で三人のステージネームが記載されてる際、柴田さんは『ナオト(NAOTO)』と表記されてたみたいだね」
浅水「一人だけ本名ってところは柴田さんらしさがあるね。ところでWikipediaには『結成当時のステージネームはアンヴィル、レイヴン、マグナム、ヴェノム』と名乗ってたって記載があるけど、柴田さんはステージネームを断固拒否してたし、出典元が無いからこの記述は虚偽の可能性が高いね」
雪乃「レイヴンだけは合ってるよね。アンヴィル、マグナム、ヴェノム……レイヴンも含めると70~80年代から活動している海外のバンド名だね」
ANTHEMは軍隊のようなバンド?
雪乃「伊藤政則さんの事務所に所属して『パワーメタル』をプッシュされたんだよね」
浅水「そこでパワーメタルに特化するようになって、リーダーの厳しさもあってか、軍隊のようなバンドと云われるようになったらしい」
雪乃「実際そんなことないみたいだけどね~。BURRN! JAPANの清水昭男さんのインタビューを読んだけど、あれは『ギャグだ』って一蹴してたし」
『NO SMOKE WITHOUT FIRE』というアルバム
雪乃「当時のメンバーだった福田洋也さんは振る舞いが懶惰になって、柴田さんとの関係が悪化するんだよね」
浅水「仕方なく柴田さんが全曲作詞作曲することになったんだけど*1、レコーディングについては『やる』という返事で。でも真剣さが無かったとのことで」
雪乃「けど洋也さん、あの作品は真面目にレコーディングしたって否定してるよね。アタシはあのアルバムのギターサウンド好きだけどなあ」
浅水「レコーディング自体は洋也さんだけど、メンバーはHURRY SCUARYの中間英明さんになってるよね」
ANTHEM解散後
雪乃「森川之雄さんが別の音楽活動にシフトしようとしてたみたいで、ANTHEMの脱退を考えてたみたい」
浅水「その話を聞いた柴田さんは自身も当時、精神的に疲弊してたから、結果解散を選んだって話だね」
雪乃「柴田さんはシーンから身を退いて、ビーイングで作曲活動をすることになったよねぇ」
浅水「そんな引退状態の中、SLYに誘われたみたいで」
雪乃「セッション等をしたけど、やっぱり当時はバンド活動する気が出なくて、そんな状態だとみんなに迷惑をかけてしまうと断ったらしいよね」
浅水「けど何故か『樋口さんと仲が悪かった』ってSHARAさんに言われてたよね。あれは柴田さんが否定してたけど。その後も樋口さんから『一緒にやろう』って誘われてたみたいだし」
LOUDNESSに加入した理由は?
雪乃「作曲活動を続けてたけど、色々あって当時分裂状態のLOUDNESSにサポートで演奏することになるんだよね」
浅水「でもフライヤーを見ると柴田さんが電撃加入する旨が記載されていたという」
雪乃「けどリーダーとして全ての責任を負ってたANTHEMと違って、ベースを演奏することに徹してよかったから、LOUDNESSとしての活動は楽しかったみたいだね」
浅水「Buddha Rock期に参加したけど、あの三部作は良い作品だったって言ってたね」
雪乃「作曲をしないという条件で加入した説があるけど、あれって嘘なんだよね」
浅水「一曲も作曲してないのは、『LOUDNESSは高崎晃が作ってこそのバンド』との理由だそうだよ。*2」
Graham Bonnetとの共演
雪乃「柴田さんと久武頼正さんが飲んでた時、久武さんが『グラハム・ボネットとやるべきだ』と言ってて。冗談と思った柴田さんは笑いながら相槌を打ってたけど、久武さんはマジな話をしてたんだよね」
浅水「それで本当に実現しちゃって。『HEAVY METAL ANTHEM』という作品が出来て、ライブもやったんだよね」
再結成へ
雪乃「そんなグラハムとの共演から、ANTHEM再結成に繋がっていくみたいで」
浅水「以前から久武さんとBURRN!編集長の広瀬和生さんはANTHEMの再結成をよく柴田さんに持ちかけてたみたいだけど、ライブしてから次第に明確になっていくんだよね」
雪乃「そんなライブでギターを演奏した清水さんは打ち上げでベロベロに酔っ払っちゃって、帰りの際に柴田さんに『本当に楽しかった、またやりましょうよ』と放って」
浅水「清水さんはANTHEM解散後から事務所の指示等があって、良い音楽活動が出来てなかったみたいで、本当に久しぶりのANTHEMでのライブが楽しかったみたい」
雪乃「BURRN! JAPANのインタビューで、清水さんはその酔っ払った際の発言については全く覚えてないみたいだけど、『お酒が入ると人は本当の姿になるから本音を言ったんだろうなー』とのことだよ」
浅水「でもその清水さんの『またやりましょうよ』という言葉が柴田さんを動かしたみたいで、勿論それだけが理由じゃないんだけど、ついに再結成を決意するんだよね」
雪乃「MADさんは当時、THE YELLOW MONKEYの廣瀬洋一さんと音楽をやってたから参加は出来なくて、森川さんはTHE POWERNUDEを優先してるから困難ってことで」
浅水「デビュー当時のボーカルである坂本英三さんとLOUDNESSで共に活動した本間さん、ギターは勿論清水さんで、この四人で再結成をすることになったね」
自伝の内容は再結成するまで
雪乃「再結成するまでの話で自伝は終わってるよね」
浅水「再結成以降もドラマはあるけど、書かなかった理由は再結成後のANTHEMは【現在も続いているから】だよね。ページ数が多くなるってのもあると思うけどね」
雪乃「読み終えて思ったのは、柴田さんって一切の妥協を許さないその厳しさから、メディアやファンから鬼軍曹みたいに扱われてるけど、ソレって誤解だと思うなあ」
浅水「当然、レコーディング等では鞭を振るってることは間違いないけど、この自伝読めば柴田さんは兄貴のような存在だよね。柴田さんは頑固な性格だから自伝の内容は嘘偽りないだろうし」
雪乃「洋也さんもTwitterのリプライか何かで、『柴田さんは怖いってよく聞くけど怖くないよ』って否定してたよね。この自伝読んで、柴田さんは本当に凄い人だって、改めて尊敬したよ!」
自伝に書かれていないこと
雪乃「そういえば、自伝に書かれてないことがあるよね」
浅水「全部は書ききれないと思うけど、確かにコレは書かれてないなってことはあった」
作詞について
雪乃「英三さん脱退以降、柴田さんはメインで作詞をするようになったよね」
浅水「でも作詞についての話は全くしてないね。重要なのは作曲だから、歌詞は二の次って感じかな。『DOMESTIC BOOTY』制作時、MADさんと歌詞を考えたという話が少しあったくらいで*3」
Don Aireyについて
雪乃「『NO SMOKE WITHOUT FIRE』と『DOMESTIC BOOTY』ではDEEP PURPLEのドン・エイリーがゲスト参加してるけど、その話は無かったなあ」
浅水「『DOMESTIC BOOTY』では"BLOOD SKY CRYING"というインストを柴田さんと共作してるのにね」
雪乃「自伝を読んで、ANTHEMを益々応援したくなっちゃったよ」
浅水「再結成する時の条件のひとつが『過去の曲に縋らない』ことで、新作をひたむきにリリースして、その新曲が常にキラーチューンなんだから凄いよ」
雪乃「そう! 再結成以降も勢いが続いているだなんて凄いよ! ANTHEMは久しぶりに新作を出したけど、そのアルバムも傑作だからね」
浅水「柴田さんと清水さん、もちろん森川さんと田丸勇さんが愛しているバンド、ANTHEMを再認識できるから興味を持った人はぜひ読んでみて欲しいよ」